前回の健康コラムにて、健康的なダイエットについて説明させてもらいました。
その時、「ホメオスタシス機能」について簡単に触れさせてもらいましたが、今回その機能について詳しく説明していきます。
ダイエット中の停滞期が起こるメカニズムを知るためには、まず始めに、人間の体に備わった危機管理システム、「ホメオスタシス機能」を理解することが必要です。
「ホメオスタシス機能」とは、人間が生きるために重要な体温や血糖値の調節などを、外部環境が変わっても常に正常に保つための働きのことを言います。食事からのエネルギーの吸収率や、運動時の消費エネルギーなども「ホメオスタシス機能」により調節されています。

例えば非常時で食事がほとんど摂れない生活が続いた場合でも、ある程度の体重減少が起きた時点で「ホメオスタシス機能」が働くことにより、食事からのエネルギー吸収率が高まり、また基礎代謝量や運動時の消費エネルギーも低く抑えられ、それ以上の体重減少を防ぎ生命を守ることが可能になります。
つまり、ダイエット中の「停滞期」は、この「ホメオスタシス機能」が非常時と同様の働きを発揮することで表れる現象なのです。これはとても高度で素晴らしい危機管理システムなのですが、ダイエット中にはちょっと厄介なものですね。

それでは、「停滞期」にはどんな対策が必要なのでしょうか。答えは、「そのままバランスの良い食生活と適度な運動習慣を継続すること 、これだけです。「停滞期」には、体重を減らすことではなく維持することを目標として取り組みを続け、再度「減少期」が訪れるのを待つことにしましょう。「ホメオスタシス機能」は、一定期間同じ状態が続くことで働きを終えたと認識し、一度解除されます。

体重の5%減少したタイミングで始まる

ダイエット中の「停滞期」が、どのタイミングでどのくらいの期間続くのか、これには個人差がありますが、一般的にはダイエット開始後1ヶ月前後、もしくは体重の5%(70kgの方なら3.5kg)減量したタイミングから始まり、1ヶ月前後続くことが多いようです。

人間の体は神秘的ですね!
宇宙のエネルギーの結晶です。
どのような環境にも適応して生命を守る。永い年月をかけて、今なお進化しています。