正座で足がしびれるのは末梢神経の圧迫と血行不良による一過性の麻痺のためですが、では具体的にどこの部分の圧迫がしびれの元凶なのでしょう。

それは「足の甲の足背動脈」と「膝の裏の総腓骨神経」の2ヶ所の圧迫が原因なのです。

しびれの原因1 「膝裏の末端神経の圧迫」

 

人間の神経は通常 身体の奥にあるのが普通です。                 

しかし、膝裏の総腓骨神経は皮膚に近い部分を通っていて正座することによって この膝裏の神経を圧迫するためにしびれが起こるのです。

しびれの原因2 「足の甲の動脈の血行不良」

正座で足の甲に体重がかかると足の甲を通る足背動脈が血行不良を起こし これがしびれの原因になります。

正座椅子等の正座補助具を使っても足がしびれてしまうという人は、この足背動脈の圧迫による血行不良が原因なのです。

つまり、「膝裏の末端神経」と「足の甲の動脈」 を圧迫しないように正座をすれば足はしびれないのです。

正座で足がしびれやすい人としびれにくい人がいるのは、この2箇所の神経・動脈が太いか細いか、身体の血の巡りが良いか悪いか、下肢の筋肉・筋が硬いか柔らかいかの違いだけ。

一般的に女性はこの「膝裏の末端神経」が男性よりも太く柔らかいために、正座椅子を使うだけで足のしびれを押さえることが出来る人が多いのです。

ですが、男性の場合はこの「膝裏の末端神経」が女性よりも細く、正座椅子を使っても足がしびれてしまうのはこれが原因です。

女性が男性よりも正座に対し耐性があるのは歴史的に見て、家庭で正座をする習慣が男性よりももっと古くからあったからだと思われます。

先にも書きました通り、正座が一般に定着したのは明治以降なのですが、この「一般に普及した」というのは「男性が正座するようになったのは」という意味で、女性はそのずっと前から正座をする習慣があったからです。