ビタミンA食品
栄養欠乏の中で注意したいものの一つがビタミンA欠乏です。ビタミンAが欠乏になる所以は、単にビタミンA食品を食べていない人が多いからように思えます。
ビタミンA欠乏により、目の健康維持や正常な皮膚の保持ができなくなってしまいます。この栄養を得るためには、どんな食材が良いかを考えてみましょう。

まずお魚です。魚は浮魚と底魚に分かれます。浮魚(うきうお)とは、あじ、さんま、マグロのように海中を泳ぎまわる魚で、泳ぐための筋肉が優れており、さらにそれを支える骨(カルシウム)も強くなっています。底魚(そこうお)は、海底でじっとしており、餌を待ち伏せしている魚です。あんこう、かさご、かれい、ひらめなどです。これらは泳ぐ時間が短いのもあり、身は水っぽくぶよぶよと柔らかいのが特徴です。骨もやわらかいため食べれますね。
浮魚はこれに加え餌を探索する能力に優れています。索餌には目が良くないとできません。索餌能力のために、浮魚にはビタミンAの含有量は比較的優れています。また、底魚であるアンコウは泳ぎが下手なため、海底の砂に潜り、じっと小魚を待ち構え、良い目を持つことで一瞬の運動量で丸のみします。そのため、アンコウは進化の過程で、やはり暗い砂の中でも索餌できるように、ビタミンAを多く持つことに成功した魚だといえます。
また、ホタルイカは光を放つことで有名です。ホタルイカが光受容器細胞に存在する色素ロドプシンを合成させるためには、多くのビタミンAが必要になってきます。このためにホタルイカはビタミンAを多くとりこんでいるのです。
最後に、お肉のレバー(肝臓)です。基本的に動物は体内のビタミンAのおよそ90%を肝臓に貯蔵します。肝臓は体の中の貯蔵庫とよくいわれています。どのくらいの頻度で食べるかは、たとえば牛をまるごと一頭食べることを考えればいいでしょう。他の部位を食べつつ肝臓に行き渡る頻度を考えれば、肝臓を食べる機会はそう多くありません。つまり毎日は食べる必要はないと思います。
さて、みなさんはこれらの食材を定期的に食べているでしょうか?意外にも多くの人が食べていないのが現状です。
もちろん、にんじんなどに含まれるカロテンからビタミンAを摂取することも可能ですが、吸収しにくいこともあり、できるだけ動物性食品がいいと思われます。どうしてもであれば、良質な油と一 緒に摂取することをお勧めします。
緊急的な欠乏時はサプリも否めませんが、やはり普段の定期的な食事から摂取するのが望ましいでしょう。